今日の日経新聞で見た記事。
働き方innovation「みずほ、副業で武者修行」と、後輩に教えてもらった、
経済産業省の「出向起業」の募集が、今後のニュータイプサラリーマンのあり方に関し、とっても示唆に富む内容でしたので、シェアしたいと思います。
みずほFGの副業制度
副業解禁をためらう金融業界
本業が疎かになるのではないか。
副業への社員の関心は高まっていますが、大半の起業は解禁をためらっています。
特に保守的なイメージが強い金融業界。副業解禁の方針が社内に伝わった当初、管理職から上がった言葉は、以下の通りネガティブ意見だったそう。
- 会社への貢献が下がる
- 情報漏洩リスクが高まる
- 優秀な人材が辞める
そんな中、副業解禁に踏み切ったみずほFGは素晴らしいと同じ銀行業界にいる身として思います。
背景にあるのは、社内経験だけでは次世代を担う人材を育てきれないという危機感。
副業で武者修行し成長した社員が会社の成長にも寄与する。その通りですね!本当に素晴らしい!!
そもそも、管理職が放った言葉は、自分を棚にあげて発した言葉としか思えないですよね。
「情報漏洩リスク」→ 副業しなくても、喋っている人は喋ってるし。
「優秀な人材が辞める」→ 社畜になれと?
みずほは、そんなリスクを背負い、副業解禁にて「経営者視点」を芽吹かせたいと挑戦したようですね。
副業は許可制
世の中のサラリーマンが副業を志す理由の第一位が「収入を増やしたいから」ですが、みずほの場合、単に収入を増やしたいだけの副業はNG。趣味の領域でも、誰かに教えることでリーダーシップやコミュニケーション能力の向上が見込める副業はOKとのこと。
例えばこんな副業はOK
- デジタル分野での起業
- ヨガインストラクター
- 士業資格を生かしたコンサルティング
多分、単なる時給労働方のアルバイトはNGなんでしょうね。
申請は副業開始日の2ヶ月前の月末までに申請。
その後、会社が審査。承認の主な条件は、
- 会社の業務と競合しない
- 「みずほ」ブランド名は使わない
- 雇用契約は結ばず業務委託
- 過重労働に配慮
- ノウハウや情報を漏洩しない
これまで、約250件の副業申請があり、206件は認められたようです。
社員の挑戦を応援する姿勢がとられていることがわかります。
特に若い世代では、社内では望めない刺激的な経験を自らの成長に繋げようと、副業に挑む傾向が強いといいます。
就職先を選ぶ時も、他のメガと比べ優秀な学生を取りやすいでしょうね。
副業を認めた結果
副業容認から1年あまり。心配した不祥事などない反面、副業を始めた社員らが、職場にどんな影響を与えてくれるのか、明確な成果はまだ見えていないようです。
まず、不祥事が起きないということ自体、さすがみずほ。素晴らしい。
成果なんて、1年や2年で出るものではありません。トライアンドエラーで頑張って欲しいですね!
経済産業省「出向起業」
出向起業等創出支援事業の概要
まずは、経産省のHPのスクショを
これは、真の起業家さんからすると、「腹が座っていない」「退路を絶って挑戦すべき」といわれてしまいますが、起業のバーを下げるにはめちゃくちゃいいシステム。
これなら、家族を養わないといけない年代の方でも取り組みやすいですし、成功したら独立でき、失敗しても元の会社に戻れる安心感があります。
HPを見ると、すでに9人の起業家が誕生しているようです!
日本は海外と比較しても起業人口が少なく、イノベーティブな商品やサービスは生まれ辛い社会モデルになっているので、企業の財を活用しながらも、自らが意思決定の裁量権を持てる本事業はとても意義深いと考えます。
経産省の着眼点
- 日本では、ヒト・モノ・カネのリソースは、大企業に集中している。
- しかし、大企業の環境は、大企業人材による新事業創出には、必ずしも向いてい るわけではない。
経産省は上記のような人材のミスマッチに注目し、加えて、既存事業と新規事業に必要な要素は全く違うと指摘しています。
■既存事業に必要な要素 = 効率性を重視
<求められるもの>
文化 :失敗は悪、不確実性は危機
ヒト :堅実さ、社内政治力
プロセス:品質確保を重視、経験を元に判断
評価 :短期利益
■新規事業に必要な要素 = 創造性を重視
<求められるもの>
文化 :小さく早く失敗する進め方が最善策
ヒト :情熱・愛嬌、社内外政治力
プロセス:スピードを重視、専門家を登用
評価 :将来価値
金融機関で新規事業を進めている僕からすると、まさにそれ!!!といった感じです。
出向起業に係る補助金について
- 大企業内では育てにくい新事業について、当該大企業社員が、辞職せずに外部 VCからの資金調達や個人資産の投下を経て起業し、起業したスタートアップに 自ら出向・研修派遣※を通じて新事業を開発することを、補助金交付により促進。
- 2021年4月目途に、公募〆予定。
- 子会社・関連会社ではないこと(起業するスタートアップの株式のうち、当該出 向者の出向元大企業の保有率が20%未満であること)が条件。
なんと、今度の4月に公募〆!!これはチャレンジするしかないですね!!
まずは、保守的なウチの会社が理解を示してくれるかどうか。チャレンジ!!
まとめ
働き方や価値創造の方法は、近年欧米やアジア諸国では様変わり。
なのに、日本は未だ昭和のやり方でしか物事を考えられない「シニア会社」ばかり。
そんな中、メガバンクと国が動いたこの事実とこの危機意識を、このパンデミックの環境下、僕らサラリーマン全員が自分事として捉えないといけないですね。
僕は動きます。
自分の中の、もう一人の職業人を探しに。
あなたは動きますか?
2021年、もうすぐ春がやってきます。