ライフスタイル 副業 本業

#149_ 手段の目的化って、別に悪いことではない(3人のレンガ職人の話)

 

最近、会社のDX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈や、営業におけるKPI(キーパフォーマンスインディケーター)にて、その目標達成に向けた各種タスクに対し、その「タスクを実行すること」のみに尽力し、本来の目標を見失っていることって、あなたの職場でもありませんか?

 

例えば、DXの本来の意義「進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させると」ですが、会社はその手段の一つであるデジタルツールを導入したら、もう満足。

 

営業であれば、「お客様に価値提供し、その対価としてお金を頂く」ことが目的ですが、そのための手段である、1日10件アポとか、提案件数目標とかを達成すると、もう満足。

このようなことは「手段の目的化」とされ、通常、ダメ!と言われます。

 

つまり、本当の目的はなんなのか?

これをしっかり理解することが重要ということですね。

 

 

その重要性を説いたものとして、イソップ童話で「3人のレンガ職人」という話があります。

 

ある旅人が、街を歩いていると、一人の男が険しい顔でレンガを積んでいました。

 

旅人は尋ねます。「ここで何をしているんですか?」

レンガ職人は答えます。「見りゃわかるだろ。レンガ積みに決まってる。俺はここで雨の日も風の日も、ただひたすらレンガを積まないといけない。もっと楽している奴は沢山いるのに、俺だけなんでこんなことをしなきゃいけないんだ。」

旅人は慰めの言葉をかけて、歩き始めます。

 

 

少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる男に会いました。

旅人は尋ねます。「ここで何をしているんですか?」

レンガ職人は答えます。「俺はここで壁を作っているんだよ。それが俺の仕事だよ。大変ですって?とんでもない。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。これが大変なんていうとバチが当たるよ。」

旅人はいたわりの言葉をかけて、歩き始めます。

 

 

また少し歩くと、別の男がイキイキと楽しそうにレンガを積んでいました。

旅人は尋ねます。「ここで何をしているんですか?」

レンガ職人は答えます。「ああ、俺たちのことかい。俺たちは歴史に残る大聖堂を造っているんだ!」

旅人はいたわりの声をかけました。

「とんでもない。ここで多くの人が祝福をうけ、悲しみをはらうんだぜ!素晴らしいだろ!」

旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また歩き出しました。

 

 

という話。

 

この中で一番モチベーション高く仕事しているのは、明らかに3番目の職人。目的がしっかりしていて、その目的を果たすために、自分ができる手段は何なのか?それを理解しているからこそ、より良い仕事ができる。

そう理解されています。

 

逆にいうと「手段が目的化」している」1番目や2番目の人は、よくないという文脈。

でも!!目的って、実は社会環境によって簡単に変わってしまうんですね。

 

例えば、DX。人々の生活をより良いものへと変革させようと、モチベ高く仕事していたら、急に会社が事業譲渡され、まるっきり業態変化した。とか、

先ほどの大聖堂の話だと、大聖堂と思って造っていた建物が、戦争が勃発して、捕虜の収容所になったとか。

これらは極端な話ですが、この動きの早い世の中で絶対無いとは言い切れません。

 

そうなった瞬間に、モチベ高く働いていた人はどうなるか。

きっと凄いショックを受けて、場合によっては立ち直れなくなりますよね。

 

 

そこで、目的を度外視せよというわけでなく、目的を認識しつつも、「手段を大切にする。」ことを僕は提言したいです。

言い換えると、「手段を楽しむ。」

 

デジタルツール触るのって、ちょ〜楽しい!!

レンガ積みって、ちょ〜楽しい!!

 

これこそが、このVuca(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の世で、もっとも大切なマインドセットでは無いかなー。

 

 

 

って、知らんけど。

-ライフスタイル, 副業, 本業